「うむ……。はぁ、こりゃあ極楽だ」
マッサージを終えた時、ちょっと元気がなかったシルバさんの尻尾は見事に張りとコシを取り戻し、艶やかにボリュームを増していた。
「ヴィヴィアン殿、あなたとはもっとゆっくりと話がしたい。これに懲りず、また遊びにきてくれないか」
「はい! 必ず訪ねさせていただきます!」
こうしてマッサージの終わりにはすっかり夫妻と打ち解けて、再訪を約束して屋敷を後にした。
ちなみにこの後、奥様から『ヴィヴィアン様はブラッシングの天性の才を持っている。魔法の手でひとたび尻尾マッサージをされたなら、身も心もぐずぐずに蕩けるような夢心地になれる』と、こんなうわさが皇宮中に広まり、マッサージを求める貴族らで長蛇の列が出来上がることになるのだが、今はまだ知る由もない。
***
アンジュバーン国王を迎えるこの日、皇宮の尖塔ではヴィットティール帝国とアンジュバーン王国のふたつの国旗がはためいていた。両国の国旗が晴天の空を悠々と泳ぐ様は、見る者に両国の明るい展望を予感させる。
マッサージを終えた時、ちょっと元気がなかったシルバさんの尻尾は見事に張りとコシを取り戻し、艶やかにボリュームを増していた。
「ヴィヴィアン殿、あなたとはもっとゆっくりと話がしたい。これに懲りず、また遊びにきてくれないか」
「はい! 必ず訪ねさせていただきます!」
こうしてマッサージの終わりにはすっかり夫妻と打ち解けて、再訪を約束して屋敷を後にした。
ちなみにこの後、奥様から『ヴィヴィアン様はブラッシングの天性の才を持っている。魔法の手でひとたび尻尾マッサージをされたなら、身も心もぐずぐずに蕩けるような夢心地になれる』と、こんなうわさが皇宮中に広まり、マッサージを求める貴族らで長蛇の列が出来上がることになるのだが、今はまだ知る由もない。
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アンジュバーン国王を迎えるこの日、皇宮の尖塔ではヴィットティール帝国とアンジュバーン王国のふたつの国旗がはためいていた。両国の国旗が晴天の空を悠々と泳ぐ様は、見る者に両国の明るい展望を予感させる。



