シルバさんは奥様の後ろに私を認ねると、意外そうに目を見張った。
「お加減はいかがですか?」
耳に巻かれた包帯がなんとも痛々しく、罪悪感に胸が締め付けられた。
「抗生剤がよく効いてな、もう痒みはないし爛れもずいぶんとよくなっている」
「そうでしたか! よかった!!」
安堵を滲ませる私に、シルバさんは感動した様子でスッと目を細くする。
「……なんと。儂の耳ノミ症をそんなに心配してくださっていたとは、ヴィヴィアン殿はまるで天使のようにお優しいのだなぁ」
……天使? いいや、私の所業は悪魔のそれだ。
シルバさんの眼差しが、後ろ暗い我が身に堪える。私の良心が、狂おしく叫びをあげる。
「ごめんなさいっ!! 実は――」
ついに耐え切れなくなり、気づけば直角に腰を折ってシルバさんに事の顛末を打ち明けていた。もちろんサリーの名前は伏せ、彼女を衝き動かす原因を作った私の言動を詫びた。
「――と、こういうわけでシルバさんの耳ノミ症の原因は私なんです。本当に、申し訳ありませんでした!」
全てを告白し、平身低頭で詫びる。
「お加減はいかがですか?」
耳に巻かれた包帯がなんとも痛々しく、罪悪感に胸が締め付けられた。
「抗生剤がよく効いてな、もう痒みはないし爛れもずいぶんとよくなっている」
「そうでしたか! よかった!!」
安堵を滲ませる私に、シルバさんは感動した様子でスッと目を細くする。
「……なんと。儂の耳ノミ症をそんなに心配してくださっていたとは、ヴィヴィアン殿はまるで天使のようにお優しいのだなぁ」
……天使? いいや、私の所業は悪魔のそれだ。
シルバさんの眼差しが、後ろ暗い我が身に堪える。私の良心が、狂おしく叫びをあげる。
「ごめんなさいっ!! 実は――」
ついに耐え切れなくなり、気づけば直角に腰を折ってシルバさんに事の顛末を打ち明けていた。もちろんサリーの名前は伏せ、彼女を衝き動かす原因を作った私の言動を詫びた。
「――と、こういうわけでシルバさんの耳ノミ症の原因は私なんです。本当に、申し訳ありませんでした!」
全てを告白し、平身低頭で詫びる。



