翌日、私は早速自宅療養中の財務大臣・シルバさんの屋敷を訪ねていた。
皇宮からほど近い屋敷では奥様が感じよく出迎えてくれ、見舞いの旨を伝えたら、シルバさんが休んでいるという居間へと快く案内してくれた。
「居間にいらっしゃるとのことですが、もう横になっていなくて大丈夫なのですか?」
「あらあら、あの人はそんなヤワじゃありませんのよ。もうピンピンしておりますわ。そもそも、ちょっとやそっと耳が爛れたくらいでオーバーに騒ぎ過ぎたのですわ。まったくお恥ずかしいったら」
コロコロと笑って答える奥様はどことなく婆やを彷彿とさせて、私は一瞬で彼女に好感を抱いた。
ただし、名家の出身であろう奥様の頭には婆やにはないふたつの小さな虎耳があり、背中には尻尾が揺れている。奥様によく似合いの短めで丸っこいキュートな尻尾だった。
「あなたー! 可愛らしいお客様がいらっしゃってくださったわよ!」
「こらこら、騒々しいよ。まったく君って人は、何度言っても……っと、おや? ヴィヴィアン殿ではありませんか」
皇宮からほど近い屋敷では奥様が感じよく出迎えてくれ、見舞いの旨を伝えたら、シルバさんが休んでいるという居間へと快く案内してくれた。
「居間にいらっしゃるとのことですが、もう横になっていなくて大丈夫なのですか?」
「あらあら、あの人はそんなヤワじゃありませんのよ。もうピンピンしておりますわ。そもそも、ちょっとやそっと耳が爛れたくらいでオーバーに騒ぎ過ぎたのですわ。まったくお恥ずかしいったら」
コロコロと笑って答える奥様はどことなく婆やを彷彿とさせて、私は一瞬で彼女に好感を抱いた。
ただし、名家の出身であろう奥様の頭には婆やにはないふたつの小さな虎耳があり、背中には尻尾が揺れている。奥様によく似合いの短めで丸っこいキュートな尻尾だった。
「あなたー! 可愛らしいお客様がいらっしゃってくださったわよ!」
「こらこら、騒々しいよ。まったく君って人は、何度言っても……っと、おや? ヴィヴィアン殿ではありませんか」



