出迎えた私は、彼の表情と嬉しそうに左右に揺れる尻尾ですぐにピンときた。
「もしかして、なにかよいことがございましたか?」
マントを受け取りながら、極力のさり気なさで水を向ける。
「ああ。今日の議会でこれまで進めてきた《婚姻に関する法改正》が満場一致で可決されたんだ。これにより『身分を超えた婚姻を認めない』との条文は削除が決定した」
「なんと! それはおめでとうございます! 僕もその法改正については興味があり、議事録等を読ませていただいておりました」
「ほう、まさかお前が政治に精通しているとは思わなかったぞ」
マクシミリアン様は意外そうな目を向けた。
「いえ、僕が追っていたのはこの法改正に関してのみで、恥ずかしながら政治全般に関してはむしろ疎いです。ご存知の通り僕の生家は弱小貴族ですから、この条文によって結婚相手の選択肢が狭まり、姉様たちは嫁ぎ先を探すのに苦労していましたので」
実家で見てきた事実を伝えると、マクシミリアン様は納得したように頷く。
「そうだったか。お前の姉たちには苦労をかけたが、それももう終わりだ」
「もしかして、なにかよいことがございましたか?」
マントを受け取りながら、極力のさり気なさで水を向ける。
「ああ。今日の議会でこれまで進めてきた《婚姻に関する法改正》が満場一致で可決されたんだ。これにより『身分を超えた婚姻を認めない』との条文は削除が決定した」
「なんと! それはおめでとうございます! 僕もその法改正については興味があり、議事録等を読ませていただいておりました」
「ほう、まさかお前が政治に精通しているとは思わなかったぞ」
マクシミリアン様は意外そうな目を向けた。
「いえ、僕が追っていたのはこの法改正に関してのみで、恥ずかしながら政治全般に関してはむしろ疎いです。ご存知の通り僕の生家は弱小貴族ですから、この条文によって結婚相手の選択肢が狭まり、姉様たちは嫁ぎ先を探すのに苦労していましたので」
実家で見てきた事実を伝えると、マクシミリアン様は納得したように頷く。
「そうだったか。お前の姉たちには苦労をかけたが、それももう終わりだ」



