布団に潜ったままいつの間にか眠っていた
みくるは、目が覚めると布団から顔を出し、
ベッドに伏せて寝ていた聖人を見て、そっと
頭を撫でてみた。

『…聖人くんは……裏切ったりしなぃ…』

『ん、ぅぅ~……あっ、みくる!大丈夫!?』

『…はい!』


頑張って笑顔を見せているのが分かる。

『みくる…昨日小山と、』

『聖人くん!お仕事大丈夫ですか?』

『え……あっ!行かなきゃ!けど、みくる…』

『頑張ってくださいね~!』


聖人の聞きたい事に答える隙を作らず、
みくるは笑顔で手を振っていた。

『ぅん……あとで時間見つけて来るから!』

『大丈夫です。無理しないでください!』


いつもなら嬉しそうに「はぁ~い!」と返事を
するはずなのに……
みくるの態度全てが不自然に見えてしまった。