「問題ない。すべて、冷酷な獣のせいにすれば良いだろう。あの男は根っからの悪役だ。傲慢で非情なベルナルド陛下は、自分に楯ついた部下を酔った勢いで手にかけたと訴えれば、誰もがこちらの言い分を信じるに決まっている」
まさかこの舞踏会は、実力のある騎士を始末してエピナント国の兵力を削ぐための策略だったの?
精鋭のレンテオさんたちが殺されれば、確実に騎士団の戦力は落ちる。それに加え、犯人がベルナルド様だと広まれば、他国や国民からの風当たりが強くなり、統率がとれなくなるかもしれない。
陛下には自分の障害になる者は容赦なく斬る一面があると、私もこの目で見た。血みどろの服を着て、表情ひとつ変えない彼は恐ろしかった。
慈悲の心を持たない冷酷な獣と噂されるベルナルド様が部下を手にかけたという情報を、大半の人は疑いもしないはずだ。
かつてカティアにはめられて、周りが全員敵になった悪夢がよぎる。
早くなんとかしなければ。あの人を守れるのは私しかいない。
「そこでなにをしている」


