悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました


 男性に連れられて去っていく背中が遠い。政治の話なら首を突っ込むわけにはいかないが、ひとりになると少し寂しかった。

 でも、今日の役目はしっかり果たせたはずよね。ダンスも褒めてくれたし、城に帰ったらラヴィスにも報告しなきゃ。


 辺りを見回すと、人々は楽しそうに談笑している。それぞれについている護衛も酒のグラスを持っていて、頬が赤く染まっていた。

 そういえば、レンテオさん達はどこかしら?

 少数精鋭の護衛は彼を入れて五人であり、エピナント国の騎士団から選りすぐりの実力者を集めてきたと言っていた。

 ベルナルド様が移動した先に待機しているのかもしれないけど、こんなにも姿が見えないなんておかしい。ひとりくらい、ホールに残してくれてもいいのに。


 自分が危険にさらされる可能性もあると気づき、途端に心細くなった。

 賑やかな会場を出ると廊下は薄暗く、夜の帳に包まれた歌劇場は不気味な雰囲気に包まれている。