わっ……!今、笑った?
まるで、我が子のお遊戯会を見届けた保護者のように温かい視線だ。信じられずに歩み寄ると、陛下はそっとこちらへ手を伸ばした。
一瞬だけ、優しく頭を撫でられる。
これは、夢?
「ベルナルド様。わ、私はラヴィスではありませんよ」
「ペット扱いで褒めたわけではない。よくやった」
顔を上げるが、そこにはいつものクールな彼しかいない。ただ、柔らかい笑顔が忘れられなくて、心臓が騒がしくて仕方がなかった。
「ベルナルド陛下。酒をおつぎしましょう」
ほのかに甘い空気を裂いたのは、初老の男性だ。モンペリエ国の政治家だろうか。うやうやしくお辞儀をして、接待と言わんばかりに空のグラスに綺麗な琥珀色の酒がそそがれた。
軽く口をつけた陛下は数回彼と会話をしたあと、私に耳打ちする。
「少し側を離れる。俺の目の届かないところでは、壁の花になっておけ」



