今夜、その圧倒的な存在感と近寄りがたいオーラに拍車をかけているのは私だ。少なからず、人々の目には、傾国の美女を同伴した常識はずれの君主に映っているだろう。
本来の目的である“カモフラージュ”の効果は期待できるかもしれないけど、こんなに目立っていたら、今夜も誰にもダンスに誘われないんじゃ……?
「子兎。余計な心配はするな。声をかけられなくても、それは俺の女だからだ。お前が嫌われているわけじゃない」
小さく告げられたセリフに、はっとする。
顔を上げると、黄金の瞳に見つめられていた。
「自信を持て。お前は練習中一度も音を上げなかった。うまく踊れなくても凛として、心の中で相手の男のせいにしておけ」
温かい感情が込み上げる。
ベルナルド様は冷酷な獣なんかじゃない。不安な気持ちを察して、力強い言葉をくれる。いつも自信があって迷いのない彼のセリフだからこそ、嘘偽りないと信じられた。



