「私が城を出るのを許可してもらえたら、あなたとは二度と会えなくなるのね。せっかく仲良くなれたのに、なんだか少し寂しい」
ラヴィスは相変わらずなんの反応もしない。ただ、やはり耳だけはこちらに向けてくれていた。
「命が助かってここを出ても、どこへ向かえばいいのかわからないの。この国には親戚も知り合いもいない。それに、人殺しの容疑で国外追放されたと知られたら、雇ってくれる職場もないかもしれないわね」
自分の状況を口にすると、改めて孤独であると実感する。
母国語が同じであるのがせめてもの救いだが、住んでいる種族も文化も違う。この先に、私を受け入れてくれる場所があるのだろうか。
つい、弱気になりかけて心を持ち直す。
ラヴィスを見つめると、黄金の瞳と視線が合った。宝石のような引力のある輝きだ。ふと、ベルナルド陛下と重なる。
「あなたのご主人様も、たぶん優しい人なのよね。にこりともしないし、怖いし、口調も冷たいけど……きっと、初めから私を本気で殺すつもりはなかったんだと思うわ」



