悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました

**


「聞いて、ラヴィス。やっと薬が完成しそうなの」


 城に来て五日目の昼、残された猶予は今日で終わりだ。

 リフレッシュの甲斐あってか調合が上手い具合に進み、ようやく希望の光が見えてきた。仕上げに使う薬草を蒸らして加えれば、明日の提出に間に合うだろう。

 ほぼ完成を待つだけとなった今、私はラヴィスの庭に来ていた。

 陛下に許可をもらい、時間ができるたびに庭へお邪魔しているが、ラヴィスも気まぐれに顔を出してくれるので、まるで本当の友達になったような気分になる。

 そして、庭で過ごすうちに気がついた。使用人たちは、ラヴィスを見かけるたびに青い顔をして遠ざかる。私が頭を撫でているのをみると、硬直して震えるのだ。

 陛下が“あの獣”と呼んでいたのは、皆が近づかないからなのだろうか。

 そりゃあ、冷酷な陛下のペットとなればむやみに触ったりできないだろうし、大型の獣に噛まれたらひとたまりもないため怖がるのもわかる。

 この子も、ひとりぼっちなんだ。