頭を振って、仕事モードに気分を切り替えた。不在の間に部外者が使ったというのはいい気がしないだろうと思ったので、なるべく配置を変えないで慎重に作業に取り掛かる。
『五日以内に“ルカロ草”の解毒薬を調合しろ』
陛下の低い声がよみがえって、気分が沈んだ。
よりにもよって、ルカロ草なんて。嫌でもカティアやグレイソンの顔が浮かぶ。あのふたりは、私が居なくなった後どうなったかしら。カティアの策略にまんまとはまって、結婚しているかも。
グレイソンも、あれほど毎日口説いてきたのに、犯人に仕立てあげられたときに擁護のひとつもしてくれなかった。
まぁ、今さら私には関係ないわ。
参考となりそうな書籍は本棚に山積みだったので、まずはそれを読み解くところから始まった。
時間が過ぎるのも忘れて読みふけっていると「お時間です」と声をかけられる。
その後は食事、入浴、睡眠と健全な生活を送り、また朝になるとボナさんの豪快な目覚まし声で起こされて薬室に閉じこもる日が続いた。



