彼に続いて、頭を下げる。
上目遣いでちらりと様子をうかがうと、にこりと微笑まれた。それがなによりも答えだ。じんわりと喜びが胸に広がる。
「エスターが選んだ相手なら、間違いないわ」
「うちの娘をよろしくお願いします」
ランジェット夫妻の言葉に、ベルナルド様と視線を合わせて目を細めた。
こんなにも幸せな未来が来るなんて、夢みたい。
出会った頃は、お互い悪役のレッテルを貼られていた。
それでも、ふたりで同じ時間を過ごすうちに不器用な優しさに触れて、少しずつ心が通い合っていったんだ。
命の危機を何度も共に乗り越え、あらがえないと諦めかけていた運命まで変えられた。
それは、彼が折れないでくれたから。どんなときも手を放さずに、深い愛で包み込んでくれたおかげだ。
過去に思いを馳せながら表情を緩めていると、モフモフの尻尾でじゃれるように背中をなでられる。
気高く強く、優しいあなたが大好き。
涼しい顔をしている彼に愛しさがあふれ、頭ひとつ分背の高い体にぎゅっと抱きついた。
*完*
【最終話後の甘いエピローグSS
ファン様への感謝を込めて限定公開中!】



