レンテオさんと別れて玉座へ向かうと、扉を開けた先で荘厳なマントを身にまとったベルナルド様が腰掛けていた。
立派なケモ耳と白い尻尾が揺れている。
婚約をしたというのに、品のある佇まいと整いすぎた顔の造形がまぶしくて、自分の旦那とは思えない。
「なにを見惚れている」
「す、すみません」
「ふふ、冗談だ。お前に会わせたいゲストをすでに待たせているから、早く入って来い」
手招きをされて、戸惑いながら歩み寄る。
すると、後から大臣に連れられて玉座に現れたふたりに、目を疑った。
「あぁ、エスター!よかった。本当に生きていたのね」
「お父さん、お母さん……!」
ベルナルド様の示すゲストは、孤児の私を育ててくれたランジェット夫妻である。
国を追われた娘を探して町を出たものの、薬師の仕事がありそうな王都を探しても会えずじまいで再会を諦めていたらしい。
グレイソンとの結婚式に私の親が参列していないと気づいたベルナルド様が、国中を探してくれたそうだ。
ランジェット夫妻は目に涙を浮かべている。



