悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました



「まだブルトーワにいたとはな。古城で迎えがないから探したぞ」


 明らかに近い距離感で私に話しかけるベルナルド様を見て、グレイソンはひどく戸惑っている。

 さらりと始まった会話に戸惑いつつ尋ねた。


「一体なぜここにいらっしゃるのですか?外の獣たちは……」

「エピナント国の騎士団だ。目的のためにやむを得なければ、強行突破をするつもりで来た」


 涼しい顔で歩み寄られたかと思えば、彼の表情は怒りに満ちている。


「エスター。その格好はなんだ?気に入らぬ。早く脱げ」

「そ、そんなことを言われても困りますよ。私は今日ここで結婚するんです」


 不機嫌な鋭い視線が私の隣の男性を射抜いた。気弱な彼は、王族の圧倒的なオーラにたじたじだ。

 こちらへ焦点を戻した後、低い声が響く。


「他の男の妻になるつもりか?お前が愛しているのは俺だろう」


 迷いないセリフに心臓が早鐘を打ちだした。間違いなくそうだが、そんなハッキリ大声で問われたら混乱して答えられない。

 それに、私にはグレイソンと結んだ契約がある。ベルナルド様は知らないんだ。

 本音を押し込めて見つめ返す。