グレイソンの裏返った声に、急いで椅子から立ち上がり窓へ駆け寄った。
すると、震え上がるほど恐ろしくたくましい肉食獣たちが町に溢れている。大きなライオンの背に悠々と乗ってくつろいでいるのは、先ほどの黒猫だ。
信じられない。これは現実?
動揺がおさまらないグレイソンとともに、チャペルへ向かう。
扉を開けると、目の前の光景に呼吸を忘れた。
席についてざわめくゲストの中心でヴァージンロードに仁王立ちするのは、雄々しいシルエットだ。
戦場から舞い戻ったばかりのような漆黒の正装に身を包み、銀の髪がなびいている。長いまつ毛に縁取られた黄金の瞳が、まっすぐ私を映した。
「ラヴィス=ベルナルド陛下……!?」
グレイソンが震える声で名を呼んだ。
突然現れた隣国の王に頭が真っ白になったらしい。怒りも鎮火した様子の彼は、ただ状況が飲み込めずに立ち尽くす。
どうして。
理解が追いつかず、言葉が出ない。



