そして、ひとつの試験管でようやく毒の完全な浄化が確認されたのは、研究を開始してから三日後だ。
徹夜続きでクマのあるドミニコラさんが、目を輝かせる。
「これだ!やっと長きにわたる研究が実を結んだよ。ありがとうエスターさん。君の協力がなければ成し遂げられなかった」
「とんでもない。ドミニコラさんの知識と技術のたまものです。これで、ベルナルド様の病が治るんですね」
「あぁ。早く前線の主に届けなくては」
嬉々として眠気も吹っ飛んだ様子の彼に涙腺がゆるむ。悲願が達成されたはずなのに、別れがつらくて仕方がない。
試験管の薬を小瓶に詰めて、深く頭を下げた。
「今までお世話になりました」
わずかな変化を察したのか、ドミニコラさんが戸惑って眉を寄せる。
「まるで二度と会えなくなるような口ぶりだね。戦が終われば、主に会いに来てくれるんだろう?」
「それは……できません」



