「び、びっくりしました。これは?」
「チョーカーよりも似合うだろうと、王都で用意してきた。気に入らないか?」
「まさか!とても嬉しいです。ありがとうございます」
髪を切られて首まわりがさみしくなってしまったのを気づかったアクセサリーである。
ベルナルド様が、わざわざ私のためにプレゼントを選んでくれたの?
喜ぶ私をみて、心なしか穏やかな表情をしている。声も仕草も以前に比べて格段に甘い。嬉しさで胸がいっぱいだ。
「古城に帰った日に渡そうと思っていたが、タイミングを逃した」
「もしかして、今日はこのネックレスを渡すつもりで呼んだのですか?」
「あぁ、お前の喜ぶ顔が見たかった」
『お前が笑っていると、心が安らぐ』
『俺の目の届くところで、そうやって嬉しそうに笑っていろ』
どうして今、楽しかった記憶が蘇るんだろう。
私はあなたの前からいなくなるのに。こんな素敵なプレゼントを貰う資格もない。



