色気のある首筋には黒いチョーカーを付けており、長いまつ毛に縁取られた瞳は黄金で、まばたきすら絵になる。
優雅に足を組み、頬杖をついてこちらを見下ろす姿は圧倒的なオーラがあった。
彼が、悪名高いベルナルド陛下?
「名乗れ」
短い命令にはっとして答える。
「エスターと申します。一晩城に置いていただき、感謝しております」
「歳と出身は」
「今年で二十二歳になりました。出身はブルトーワ国です」
それを聞くなり、眼光が鋭くなった。
「ブルトーワ国の子兎が、なぜ我が領地の森にいた」
「それは……」
殺人未遂の容疑をかけられて、国外追放されたからだと知られたらどう思われるだろう?
どう伝えれば良いか迷っていると、息を吐く音が聞こえた。玉座から腰を上げた彼は剣を手にしている。
目を見開くと同時に、銀の切先が喉元に突きつけられた。思わず尻もちをつくと、肩を掴まれ床に押し倒される。
「貴様は、ブルトーワ国の諜報員か?」
「違い、ます」


