悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました


 食事を終えてボナさんを探すが、彼女は仕事に追われていて忙しそうだ。どうしようか迷っていると、食堂に若い騎士が現れる。


「エスター様。謁見(えっけん)の間においでください。ベルナルド陛下がお呼びです」


 今、“ベルナルド陛下”と言った?

 たしか、あいまいな記憶ではエピナント国の王族はベルナルドという苗字だったような。陛下ときたら、あの冷酷な獣と噂される国のトップだ。

 この城の主はベルナルド陛下なの?無慈悲な彼が、素性の知れない私を城に引き入れて温かい寝床を貸してくれるとは想像できない。

 
 緊張が高まる中、若い騎士に連れられて荘厳な扉の前に立たされた。重い音が響き、謁見の間に足を踏み入れる。

 片膝をついて座らせられ、若い騎士は部屋を去った。


「顔を上げろ」


 低く冷たい声だ。従うと、感情の読めない瞳と視線が合う。

 玉座に腰掛けるのは、体格の良い長身の男性だった。息を呑むほど美しいサラサラの銀髪を切り揃え、スッと通った鼻筋と形の良い唇はこの世のものではないほど整った造形だ。

 耳は尖っていないので、私と同じ人間らしい。