「なにをしてるの、こんなところで。まさか、古城を出た後にモンペリエ国民になったとか?それに、そのメイド服……」
「あの、すみませんがゆっくり話している時間はないんです。それより、早くここから逃げてください」
切迫した声に真剣な顔つきをしたレンテオさんは、私が迎賓館で働くメイドではないと察した。
「これはモンペリエ国の仕組んだ罠なんです。皆さんは命を狙われています」
「まさか……!やはり、この国は黒だったか」
レンテオさんによると、この会談は急遽決まった公務で、ベルナルド様は舞踏会での一件を問い詰めるつもりらしい。
常備薬を飲めなかったせいで体調が悪化して欠席した会談で、モンペリエ国の外相から病の疑いをかけられたのは初耳だった。
強い姿を見せることで疑いを晴らすのもここにきた理由のひとつである。
国の重鎮が直接会談の場に現れると聞き、裏がありそうな提案にあえて乗ったようだが、すべて仕組まれていたのだ。



