窓の外を見ると、本館の裏手に焼却炉が見える。
ルビ草を倉庫から盗み、ゴミに見せかけて放り込めば、すべて燃やせるはずだ。
しかし、倉庫の近くには私からルビ草を受け取った担当者や、明らかに怪しそうな警備員達がうろついている。うかつに近づけない。
脳裏にベルナルド様がよぎった。
うまく彼らに会うことができたら、この状況を伝えられる。
応接室に通されたはずのゲストを探し、廊下を進んだ。陰に身を潜めながら自然を装って辺りを見回す。
二階へ上がってこっそり移動をはじめた途端、廊下の角から現れた人物に勢いよくぶつかった。
しまった!
警戒したが、とっさに腕を掴んでくれた男性の翠の瞳には既視感がある。
「おっと、大丈夫ですか……って、エスターちゃん!?」
「レンテオさん!」
信頼のおける騎士団長との再会に涙が出そうになった。
一方、ここにいるはずのない私に出くわした彼はひどく動揺している。



