悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました

**


「ん……」


 日の光を感じてまぶたを上げ、繊細な装飾が施された天井が視界に映った。

 しばらく寝ぼけて頭が働かなかったが、見慣れない部屋のベッドに横たえられていると気づく。

 ここは、どこ?

 心地よい肌触りが気になって視線をやると、綿素材の柔らかなワンピースを身につけていた。嵐でずぶ濡れになった服を誰かが着せ替えてくれたらしい。

 大きなダブルベッドは枕もシーツも洗いたてのいい匂いがする。ふかふかで上質だ。

 部屋の調度品も全てロココ調に統一されており、センスがある。お洒落な窓枠の向こうにはどこまでも続く森が広がっていて、ベッドを出て外を眺めると自分の居場所に驚いた。


「ここって、お城……?」


 レンガ造りの壁に所狭しと絡まるツタは、どことなくノスタルジックだ。今いる部屋から確認できる範囲は限定的だが、塔の配置とはるか下の庭の広さから判断するに、相当な敷地面積の古城らしい。