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「ずいぶんと薄暗い森ね。お化けがでそう」
湿った風が頬をなで、得体の知れない不安が押し寄せる。
北の森はあまり人が立ち入らないのか整備されている様子がなく、うねった枝を空に伸ばす木々が乱立していた。
不気味な森は、鳥の鳴き声がしただけでびくっと反応してしまうほど怖い。
ボテン草はどこかしら?早く見つけてさっさと帰りたいわ。
見本のイラストが描かれた紙を手に森をさまよう。
すると、茂みの先に光が差し込む草原があると気がついた。木漏れ日に照らされているのは、トゲトゲした葉っぱの植物だ。
あれは、まさか……!
期待を胸に駆けだして、茂みを抜けたそのときだった。
「ひゃっ」
突然足元が崩れる感覚がして、急いで飛びのいた。視線を落とすと茂みの先に道はなく、草原との間には深い谷がある。
転げ落ちた小さな石が、真っ暗な谷へ吸い込まれていった。終わりの見えない深さにぞっとする。
「ずいぶんと薄暗い森ね。お化けがでそう」
湿った風が頬をなで、得体の知れない不安が押し寄せる。
北の森はあまり人が立ち入らないのか整備されている様子がなく、うねった枝を空に伸ばす木々が乱立していた。
不気味な森は、鳥の鳴き声がしただけでびくっと反応してしまうほど怖い。
ボテン草はどこかしら?早く見つけてさっさと帰りたいわ。
見本のイラストが描かれた紙を手に森をさまよう。
すると、茂みの先に光が差し込む草原があると気がついた。木漏れ日に照らされているのは、トゲトゲした葉っぱの植物だ。
あれは、まさか……!
期待を胸に駆けだして、茂みを抜けたそのときだった。
「ひゃっ」
突然足元が崩れる感覚がして、急いで飛びのいた。視線を落とすと茂みの先に道はなく、草原との間には深い谷がある。
転げ落ちた小さな石が、真っ暗な谷へ吸い込まれていった。終わりの見えない深さにぞっとする。



