「カティア、どうしてここに」
「植物園で育てる苗を仕入れに来たんです。私はグレイソンの妻になる身ですから」
私がブルトーワ国を追われた後、植物園の経営を手伝い始めたらしい。ここにグレイソンの姿がないのは幸いだが、彼女にも二度と会いたくはなかった。
忘れかけていた悲しみと怒りが込み上げる。
「エスターさんこそ、どうしてここに?まだ薬師のお仕事をされているの?」
「えぇ。今も昔も、私には仕事しかありませんから」
「そうですか。お仕事先が見つかったのならよかった。町を出たあなたをとても心配していましたわ。身寄りもないだろうし、屋根のある場所で休めていないんじゃないか、って」
それを聞いた瞬間、ぷつりと切れた。
「心配していたなんて、心にもないことを口にしないで。あなたがわざと事件を起こして追い出したんでしょう?」
「まぁ、ひどい。毒の一件が自作自演だとおっしゃりたいの?本来死刑になるはずだったあなたを慈悲の心で見逃したのよ?感謝してほしいくらいだわ」



