翡翠の森


「ぷっ……そういう面では、先が思いやられるわね」


話の内容とは違い、無邪気な笑顔に心が和む。
そうしていると、同い年の女友達みたいだ。


「……ねえ、ジン」

「なあに? 」


(羨まなくても、私にはここにお姉さんも親友もいる)


「お茶を淹れるから、一緒に飲まない? 」


あの部屋では、いつも断られていた。
でも、これからはきっと――。


「……いいわよ」


(やった……!! )


「ちょ、ちょっと待って!今、準備してくるから!! 」


パッと立ち上がると、急いでドアに向かう。


「待ちなさい、もう」


ジンの気が変わらないうちにと、今にもドアから転がり出そうなジェイダの手首を握る。


「私も行くわ 」

「え……」


今日こそは、自分にやらせてくれると思ったのに。


「一人で行動するなんて駄目よ。私たちの他にはいないはずだけど、何かあったらどうするの? 」

「大丈……」

「だ・め。私は貴女の……」


お決まりの小言に、がっくりと項垂れる。
叱られた子供のようなジェイダに苦笑すると、もう一度額を弾いた。


「……友達よ。一緒に行って、ここに戻ってジェイダが淹れてくれたらいいじゃない」


友達。


「……っ、うん!! 」


嬉しい。
彼女からその言葉を聞けて、飛び跳ねたいくらい。いや、もしかしたら、実際そうしたかも。


「行こ、ジン! 」

「はいはい」


呆れながらも、側にいてくれる。


「私、ジンに聞きたいことがたくさんあるの」

「いいわよ。ロイ様との話と交換ね」


交換条件に少し躊躇したが、ジェイダは頷いた。


(いいよ。友達だもの)