「それに、私が個人的に目が離せないのよ」
落ち込むジェイダの額を、細い指がピンと弾く。
「……辛くても、悲しくても。ロイ様の前で、泣けないこともあるでしょう。貴女、頑固だし」
ロイとはまた違う、ブルーアイ。
ジンの瞳は、もっと深い青色だ。
(安心する。今度はお母さんじゃなくて……)
――お姉さん、みたい。
「そんな貴女が好きよ。言ったでしょう? 此度の任務を、誇りに思っていると。本心だったけれど、あの時はまだ、兵としての気持ちが大きかった」
それ以外に、どんな気持ちがあるというのだろう。
それほど危なっかしくて、仕方ないという意味か。
だが、ジンは柔和な表情を浮かべ、そして――。
「……ジン? 」
そっと、ジェイダの隣に座った。
「でも、今は……それよりも一人の女として、友人として、貴女を助けたいと思っている」
ジンが横に座っている。
今までずっと、頑なに距離を保っていた彼女が。
「この先、もちろんうまくいくと信じているけれど。その更に先に、貴女がどこにいたとしても」
驚いて、声が出ない。
彼女の話に、耳を傾けるので精一杯だ。
「ジェイダとロイ様の幸せを願ってる。それが必ず、二国に平穏をもたらすと思っているし……私個人としてもね」



