「は? おい、アキ」 止めようとするシンさんを無視して、アキさんは部屋を出て行ってしまう。 眉をひそめる健吾。 唖然としているミツル。 おろおろする真由ちゃん。 あたしはどうすればいいのかわからず、アキさんのうしろ姿が消えるのを見ているだけだった。 「……なんだぁ、あいつ? あいかわらず変なやつだな」 シンさんがおどけるように言ったけど、重苦しい空気はもとには戻らなかった。 倒れた椅子をそっと直すあたしを、真由ちゃんが心配そうに見つめていた。