「え?」
「健吾を殴ったとかいう怖いもの知らずな女か」
「えぇっ!?」
叫んだのはミツルだった。
「お前、健吾さん殴ったのか!? 何だそれ!」
「違うっ! 違うよ!」
いや、違わないけど。
たしかに殴ったけど。
「詳しく説明しろよー」
「あっ、チャイム鳴ったよ! 席に戻んなきゃ」
またしてもチャイムに助けられたあたしは、むりやりミツルを追い払った。
そして自分の席につき、ふぅっと息をはいた。
驚いた……。
まさかあのことをアキさんが知ってたなんて。
あれは自分でもやりすぎだったと思うし、他人から言われると本当に耳が痛い。
きっと、健吾がアキさんに話したんだよね?
他には?
あたしのこと、他に何か話してないのかな。



