まるで計算し尽くして造られたような、完璧に整った顔だった。
外国人の子供みたいに色素の薄い髪。
すべてのパーツが危ういほど繊細で、だけど凛としていて……。
面食いじゃないあたしもさすがに見とれてしまう。
授業が終わると、ミツルと真由ちゃんが真っ先に走ってきた。
「初めましてぇ、中川真由です」
ミーハー炸裂の真由ちゃんに、アキさんはほとんど表情を動かさず口元だけで笑って「どうも」と一言。
なんとなく輪に入れず、隣の席で黙ってやりとりを見ていると
「それから、こっちは矢沢莉子です」
とミツルがあたしを指さした。
「莉子?」
アキさんの表情がかすかに動く。
何、その反応?
するとアキさんはあたしの顔を見て、言った。
「へぇ。あんたが例の」



