「どっちが矢沢莉子?」
夜の空気を切るような、とがった声だった。
ふり返ると、コンビニの右手にある駐車場に、女の人が3人いた。
この人たちが、メールの……?
顔に覚えはない。
見たところ、あたしより少し年上だろうか。
ふたりは地べたに座り、ひとりは立ち上がってあたしたちのすぐそばにいる。
3人とも派手な服装をして、コンビニから漏れる薄明かりの下でもわかるほど、鮮やかに染めた髪。
立っている女の人が真由ちゃんに視線をやり
「あんた?」
とたずねる。
真由ちゃんの肩が小さく跳ねるのを見たあたしは、彼女が答えるより先に口を開いた。
「矢沢莉子は、あたしです」
3人の視線が真由ちゃんから離れ、あたしを刺す。
一瞬の沈黙のあと、座っていた女の人のひとりが立ち上がり、ゆっくりと近づいてきた。



