「……こんど、健吾の陸上の大会があるんだ」 健吾のお父さんは淡々と、でも優しい声で言った。 「君に、健吾が走る姿を見てやってほしい」 「……はい……」 ねえ、健吾。 あたしが健吾を想って過ごした日々を もしあなたも同じように想っていてくれたなら。 もう一度、会いに行ってもいいですか――…?