こんなにもあたしは、みんなに心配してもらって。


だから早く元気にならなきゃって思うのに

どうしても立ち直れない。
 
涙すら、もう出なかった。






次の日も、真由ちゃんはあたしの家にやって来た。


「莉子ちゃーん。すっごい、いいお天気だよ。お散歩行こうよ」


「……ごめん。外に出る気分じゃなくて」
 


真由ちゃんは一瞬、残念そうな顔をしたけれど、すぐに笑顔に戻った。


気のせいかもしれないけれど、その笑顔はいつもより少し元気がなく見えた。



「ごめんね……」


「あやまらなくていいよ~。あたしが勝手に誘いに来ただけだもん。じゃあ、また今度ね」


「うん」
 

玄関のドアがゆっくりと閉まっていく。


真由ちゃん……

気持ちに応えられなくて、ごめん。


でもあたしは、健吾やアキがいない世界を見たくないんだ……。
 


そのとき、ドサッと嫌な音が外から聞こえた。