「ごめんなさい……ごめんなさい……っ!!」
あたしは狂ったように、その言葉をくり返した。
胸が痛くて、痛すぎて。
この痛みにつぶされそうで。
「俺……バカみたいだよな」
あたしの腕の中で、健吾が肩を震わせながら言う。
「アキの病気のこと何も知らねぇで、気づいてやれねぇで……。
こんなことなら、もっとちゃんと話せばよかった。
あいつがお前を好きだってこと、ホントは気付いてたのに。
ずっと知らないふりしてきて……最低だ……っ」
あたしは何度も首を横に振りながら、健吾を抱きしめる腕に力をこめた。
「ううん、健吾は最低なんかじゃない……。
アキが何も言わなかったのは、きっと健吾を大切に思ってたからだよ。
アキは健吾のこと、大好きなんだよ?」
健吾の肩の震えが、大きくなった。



