バカだ、あたしは。 アキはここにいないのに。 もう二度と、あたしを助けになんか、来てくれないかもしれないのに。 そう、もう二度と…… 「……やめて、ふたりとも……」 あたしは健吾とシンさんを止めることもできず ただボロボロと泣き続けた。 騒ぎを聞きつけた近所の人のおかげで、ケンカはどうにか治まった。 シンさんが帰ってから、あたしは健吾のケガの手当をした。 健吾は意外にもおとなしく手当を受けてくれた。 部屋の中はひどく荒れていた。 片付けていないというより、暴れた形跡すらある。