健吾……。
きっと今ごろ、ひとりで苦しんでいるよね。
その苦しみの半分は、あたしのせい。
合わす顔がないけれど、今の健吾を放っておくのは心配だから。
シンさんとふたりで健吾のマンションに着き、チャイムを押した。
しばらくすると、ドアが開いた。
「健吾……っ」
別人のような暗い表情に、胸が締めつけられる。
眼の下にはクマができ、頬はすっかり削げていた。
「おいおい何だよ、その顔は~。ちゃんと食ってねぇだろ」
重い空気を変えるようにシンさんが言ったけれど、健吾は笑わない。
「……帰ってくれ」
「おいっ、健吾!」
健吾が閉めようとしたドアを、シンさんが止めた。



