泣いて声が震えそうになるのを、こらえてあたしは言う。
「あたし、アキのこと待ってるからね。手術が終わるまで、ずっと待ってるから」
もう逃げない。
アキの手術が終わったら、ちゃんと向き合って
自分の気持ちをハッキリさせよう。
「だから……
がんばって。アキ」
「ああ」
すでに前投薬が効き始めているのか、アキは少し朦朧とした顔でうなずいた。
あたしは健吾からの伝言をアキに告げて、病室を出た。
――午前9時。
手術室のランプが点いた。
あたしはアキの家族と一緒に待合室に通されたけれど
落ち着かなくて、ひとりで一階におりた。



