あたしはアキの背中にしがみつくように、両手に力をこめた。 とめどなく流れる涙で、アキの胸がしっとりと湿っていった。 温かい……。 アキの体が、生きてるって叫んでるみたいに、温かい。 ふと、耳元に手がそえられて、あたしは顔を上げた。 「アキ……」 こんなに近くで目を合わせたのは初めてで。 その瞳の優しさが、あたしから思考を奪っていく。 ……涙の味がする、あたしの唇に アキの唇が、そっと重なった。