軽くつねられただけだから痛くない。
でも、熱い。
健吾の指が触れている部分だけ、すごく熱くなってしまう。
「やめてよ、女の子の顔なんだからね」
あたしが顔をそむけると
「そういやお前も女だったな」
とふざけたことを健吾は言う。
完全にからかわれているのだけど、健吾の笑顔があまりにも楽しそうだから怒る気も失せてしまう。
本当に、得なやつ……。
「ところでさ。健吾、最近あいつに会った?」
シンさんがそうたずねると、健吾は煙を吐きながら「いや」と答えた。
「最近は俺んとこにも連絡なし。まぁ気まぐれだからな、あいつ」



