「俺、お前のこといっぱい泣かせたよな。

怖い目にも、嫌な目にも合わせたし。
お前の将来まで壊すとこだった」


「………」



「でももう、泣かせねぇから。

絶対ぇ大学受かって……

そんでお前に、最高の形で指輪プレゼントするよ」



「うん……っ」
 



あたしはこの夜、初めて知ったんだ。

健吾が嘘つきだってこと。
 

だって“泣かせない”なんて言ったそばから

こんなにもあたしを泣かせてるんだもん。

 



嬉しくて、幸せで……


涙が止まらなかったんだよ。