そっか……。
健吾やシンさんはもうすぐ高校を卒業して
大人になっていって。
こんな風にみんなで集まることも、これからは少なくなっちゃうんだ。
学食で一緒にごはん食べたり
放課後にドラミちゃんのお店でたまったり。
そんな日常も、もうすぐ日常じゃなくなってしまう。
【どうかこのまま、いつまでも】
七夕の夜、あたしはそう願ったけれど。
“いつまでもこのまま”なんてものは、何ひとつないんだね。
それはちょっと寂しいこと。
そしてきっと
思い出が増えていくという
幸せなこと。
「シンさん……おめでとう。
がんばってね!」
あたしの言葉を聞いたシンさんは、最高の笑顔を見せてくれた。
「どうもおじゃましました~」
数時間後。真由ちゃんとミツルが玄関を出ていった。
つないだふたりの手には、今日もおそろいのブレスレットが光っていた。
シンさんも帰って、健吾とふたりきりになった部屋。
急に静かになったせいで、少しぎこちない。



