「とりあえず一校目が終わって、ちょっと楽になるんじゃないっすか?」 とミツルが尋ねると 「いや。本命は来月だから、それまで気は抜けねぇよ」 健吾は表情をひき締めて言った。 「ケンケンはいつの間に、こんなに真面目に生まれ変わったんだろうね~。 やっぱり愛の力ってやつ?」 シンさんはジュースで酔っぱらったように、健吾の肩に腕を回して茶化す。 相変わらずの軽いノリに笑っていると 急に、シンさんの口から思いがけない言葉が出た。 「じゃあ、ここで俺も報告しよっかな。 実は俺……」