そんな日々の中
アキとはまだ、連絡が取れなかった。
シンさんにさりげなく聞いてみると
「俺も連絡とれねぇんだ。
でもアキの場合、よくあることだから気にしなくていいよ」
という返事が返ってきた。
「それにたぶん、あいつなりの優しさもあるんじゃねぇかな」
「優しさ、ですか?」
「うん。莉子ちゃんたちに気を使わせないためのね」
……そこまでして、アキが守ってくれたものを
ムダにしないためにも
今は、前だけ向こうと思った。
そうして日々は過ぎ、1月中旬。
健吾の一校目受験が、無事に終了した。
「お疲れさま~っ!」
試験から帰ってきた健吾を囲み、ジュースで乾杯をする。
この部屋の中がこんなに、にぎやかになるのは久しぶりだ。



