がむしゃらに前だけを向けば、時間はあっという間に過ぎて行った。
冬休みに入り、健吾の勉強がさらに忙しくなると
あたしは2日に1度のペースで、彼のマンションを訪れるようになった。
洗濯や掃除、洗い物。
あたしが手伝えることはいくらでもあった。
健吾は最初のうち、あたしにそういうことをさせるのを、ためらっていたけれど
「あたしだって健吾の力になりたいんだよ」
そう説得したらわかってくれた。
勉強のジャマになるのは嫌だから、あたしは用事さえすませばさっさと帰る。
ちょっと顔を見ることができれば満足だし
少しでも健吾の役に立てるだけで充分なんだ。



