健吾は照れ臭さをごまかすように、「あぁ~っ」と叫びながら頭をかく。
「つーか、あの噂を流したやつら、片っぱしから殴り倒してぇ」
「はっ!? 何言ってんの、ダメだよ!」
焦るあたしに「わかってるって」と笑う健吾。
そして健吾は
ふと真剣な顔になって、言った。
「莉子。俺は絶対に、大学受かってみせるから」
「……うん」
健吾の、この顔が好き。
まっすぐに未来を見据える、この瞳が。
「試験って1月だったっけ?」
「ああ。とりあえず第2志望はな。本命は2月6日」
「えっ!? あたしの誕生日の前日じゃん!」
「マジかよ」



