「ホントは、俺がお前を守りたかった。
写真に写ってたのは俺だって、堂々と言いたかった」
健吾はあたしから体を離し
少し苦笑いして、キスマークのついた部分に触れる。
「キスマークつける男なんて、バカじゃねぇの?って今まで思ってたけど。
俺もバカのひとりだったみてぇだな。
こんなもんでも、お前が俺の女だって証明できた気がして嬉しいんだ」
制服でギリギリ隠れる場所に
印されたそれは
あたしが健吾のものだという、証。
「……嬉しいよ」
あたしは言った。
どんな形だろうと、健吾がくれる証なら
あたしは嬉しいから。



