「健吾……俺らさぁ、いつもいいかげんなことばっかしてたじゃん?
将来のこととか考えんの面倒くせぇって思ってたし、正直どうでもよかったし。
お前も陸上やめてからはそんな感じだったじゃん。
……でも、最近のお前見てると、うらやましいって思うんだよ」
「うらやましい?」
「ああ。よくわかんねぇけど、なんかすげぇカッコいいんだよ。
だから……」
シンさんはそれ以上言わなかった。
教室の中がしんと静まり返っていく。
アキはしばらくあたしと一緒に廊下で聞いていたかと思うと
突然ドアを開けて入った。
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