「違っ……」
言いかけたあたしを、アキが瞳で制止する。
それはすべてを覚悟しきったような、迷いのないまなざしで。
アキは言葉を失ったあたしの隣に立ち、先生をまっすぐに見据えた。
「一緒に写っているのは、間違いなく俺です」
「――…っ」
ありがとう、とか。
ごめんなさい、とか。
そんな言葉じゃ全然足りない。
アキの優しさ、アキの強さ、アキの想いが。
あたしの胸をいっぱいにして
何も言うことができなかった。
「とりあえず今日のところは帰りなさい。処分はこの後決めるから」
そう言われたあたしたちは、鞄を取るために教室に戻ることにした。
放課後の人気のない校舎をアキとふたりで歩いていても、ほとんど会話はなかった。
あたしの前を歩くアキの背中がやけに細く見えて、涙が出そうだった。



