「どうしたの、ミツ――」

「今日はこのまま家に帰れ!」

「え?」
 

ミツルの言葉に眉をひそめていると、そばを通りかかった人があたしを見て小声で言った。


「ほら、あの子、掲示板の……」
 

掲示板? 

……何のこと?



「あっ、莉子! 待てって!」
 

ミツルの制止もきかず、あたしは走りだす。
 


向かった先は昇降口の近くにある掲示板。


校内新聞や行事に関するプリントが貼られたそこは、普段ならほとんどの人が素通りする場所。
 

だけど、今日は違った。


好奇心に瞳を輝かせた生徒たちが、何人も群がっていた。