そしてスッと上に引っ張られ、いとも簡単に立たされた。 「……っ」 健吾よりずっと細いアキの体に、こんなにも強い力があったということに、あたしは戸惑ってしまう。 急に立ち上がったせいで足元がふらつくあたしを、アキはもう片方の手で支えた。 「あ……ありがとう……」 つかまれている部分が熱い。 「アキ……もう平気だから、離して……」 「ん? ああ」 アキの手がそっと離れていく。 圧迫感を失ったその部分は、まだ熱を持っているようにジンジンしていた。